介護職員や看護師にモノが言えるようになること
概要
これが一番大きいと思います。
栄養士は厨房での献立作成・発注・調理などの栄養士業務と、事務所での電話応対や事務仕事など、介護の現場に出てこない(出てこられない)人も多いです。
「調理員の数が足りない」「事務員さんがいない」「発注に時間がかかる」などいろんな理由はあるでしょう。
でも、特養の施設栄養士の一番の仕事は「利用者様の栄養管理」です。
フロアに出て、食事介助をしてみましょう。
介護職員や看護師と一緒に食事介助をすることで、「一緒に介護している人」という認識を持ってもらえます。
続けていると「一緒に介護している人」から「栄養面での専門知識を持った介護に関わる人」と変化していき、どんどん発言できるようになり、コミュニケーションが取りやすくなります。
こうなると「勝ち」です(笑)
圧倒的に数の少ない栄養士が発言権を持ち、意見をしっかり聞いてもらえるようになるには「厨房や事務所でパソコン使って仕事している人」ではなく「一緒に介護している人」になることが、一番の近道だと思っています。
栄養ケアマネジメントがしやすくなる
もう一つの大きなメリットが、栄養ケアマネジメントがしやすくなることです。
食事介助をしていると、利用者様が「どんな問題を抱えているのか」「どんな食事の摂り方をしているのか」「どうしたら解決に結びつくのか」など気づくことはたくさんあります。
・食べ物の好き嫌い(どうしても食べられないもの、食が進むものなど)
・身体の状態(右左どちらの手で食べるのか、車イスか椅子か、姿勢や傾きなど)
・嚥下状態(とろみが必要かどうか、その硬さはどのくらいかなど)
・認知機能(食べ物の認識はあるか、食事に集中できるかなど)
自分が担当した利用者様だけでなく、周りにいる利用者様の様子も見ることができます。
介護職員や看護師ともコミュニケーションが取りやすくなっているので、食事介助をしながら必要な情報を得ることが容易になります。
こうして情報を収集すると、栄養ケアマネジメントが早く立てられるようになりますし、その内容にも自信が持てるようになります。
仕事が楽しくなる
フロアにどんどん出ていくことで、利用者様に覚えてもらえて受け入れてもらえるようになります。すると、いろんな話(昔の話・世間話・他の利用者様の情報・職員への苦情など)が聞けるようになります。
栄養ケアマネジメントに役立つ話もあれば、施設をよくするためのヒントをもらえることもあります。
なにより利用者様と話すと楽しいです(これは私の主観ですが…)