糖尿病の合併症に関する記述である。誤っているのはどれか。 1 つ選べ。
⑴ 高浸透圧高血糖状態は、急性合併症である。
⑵ 糖尿病網膜症の初期にみられる自覚症状は、失明である。
⑶ 浮腫は、腎症の症状である。
⑷ 起立性低血圧は、神経障害の症状である。
⑸ 急性心筋梗塞は、大血管障害である。
解答
⑴ 〇 高浸透圧高血糖状態は、急性合併症である。
高浸透圧高血糖状態は、糖尿病の急性合併症の一つである。高血糖により血液の浸透圧が上昇し、脱水や電解質異常をきたす病態である。意識障害や昏睡を引き起こすこともある。
⑵ × 糖尿病網膜症の初期にみられる自覚症状は、失明である。
糖尿病網膜症の初期には、自覚症状がほとんどみられない。網膜症が進行し、黄斑浮腫や増殖性変化が生じた段階で、視力低下や視野異常などの自覚症状が出現する。失明は、網膜症の終末期にみられる症状であり、初期の症状ではない。
⑶ 〇 浮腫は、腎症の症状である。
浮腫は、糖尿病性腎症の症状の一つである。腎症が進行すると、タンパク尿が増加し、低アルブミン血症による浮腫が生じる。特に、下腿や足背の浮腫が顕著である。
⑷ 〇 起立性低血圧は、神経障害の症状である。
起立性低血圧は、糖尿病性自律神経障害の症状の一つである。自律神経障害により、体位変換時の血圧調節が障害され、起立時に血圧が低下する。めまいや失神などの症状を引き起こすことがある。
⑸ 〇 急性心筋梗塞は、大血管障害である。
急性心筋梗塞は、糖尿病の大血管障害の一つである。糖尿病患者では、冠動脈硬化が進展しやすく、急性心筋梗塞のリスクが高い。他の大血管障害には、脳梗塞や末梢動脈疾患がある。