呼吸器疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。
⑴ COPD では、呼気時に口すぼめ呼吸がみられる。
⑵ 重度に進行した COPD では、呼吸性アルカローシスがみられる。
⑶ アトピー型の気管支喘息は、成人以降に発症することが多い。
⑷ 気管支喘息の治療には、b 遮断薬を用いる。
⑸ 間質性肺炎では、閉塞性障害がみられる。
解答
⑴ 〇 COPDでは、呼気時に口すぼめ呼吸がみられる。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)では、気流制限により呼気が障害される。このため、呼気時に口すぼめ呼吸がみられることがある。口すぼめ呼吸は、呼気時に口を狭めて呼気を行うことで、気道内圧を高め、気道虚脱を防ぐ効果がある。これにより、呼気の終末部の気流速度が維持され、呼気時間が延長する。
⑵ × 重度に進行したCOPDでは、呼吸性アルカローシスがみられる。
重度に進行したCOPDでは、呼吸性アシドーシスがみられる。COPDでは、気流制限により肺胞換気が障害され、二酸化炭素の排出が不十分になる。その結果、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が上昇し、呼吸性アシドーシスを呈する。
⑶ × アトピー型の気管支喘息は、成人以降に発症することが多い。
アトピー型の気管支喘息は、小児期に発症することが多い。アトピー型喘息は、アレルギー素因を有する患者に発症する喘息であり、家族歴や既往歴にアレルギー疾患を持つことが多い。非アトピー型喘息は、成人以降に発症することが多い。
⑷ × 気管支喘息の治療には、β遮断薬を用いる。
気管支喘息の治療には、β刺激薬を用いる。β刺激薬は、気管支平滑筋のβ2受容体を刺激し、気管支拡張作用を示す。代表的なβ刺激薬には、短時間作用型のサルブタモールや長時間作用型のサルメテロールなどがある。
⑸ × 間質性肺炎では、閉塞性障害がみられる。
間質性肺炎では、拘束性障害がみられる。間質性肺炎は、肺の間質に炎症や線維化が生じる疾患群であり、肺の弾性が低下し、肺活量が減少する。スパイロメトリーでは、肺活量(VC)の低下と努力肺活量(FVC)の低下がみられる。閉塞性障害は、気流制限を特徴とし、COPDや気管支喘息などでみられる。