免疫グロブリンに関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。
⑴ IgA は、胎盤を通過する。
⑵ IgD は、免疫グロブリンの中で分子量が最も大きい。
⑶ IgE は、Ⅰ型アレルギー反応に関わる。
⑷ IgG は、肥満細胞で産生される。
⑸ IgM は、自然免疫に関わる。
解答
⑴ × IgAは、胎盤を通過する。
IgAは、胎盤を通過しない。母体から胎児への免疫グロビンの移行は、主にIgGを介して行われる。IgAは、粘膜面での局所免疫に重要な役割を果たし、母乳中にも高濃度で存在するが、胎盤を通過することはない。
⑵ × IgDは、免疫グロブリンの中で分子量が最も大きい。
IgMが、免疫グロブリンの中で分子量が最も大きい。
⑶ 〇 IgEは、Ⅰ型アレルギー反応に関わる。
IgEは、即時型(Ⅰ型)アレルギー反応に関与する免疫グロブリンである。IgEは、アレルゲンに対する特異的な抗体として産生され、肥満細胞や好塩基球の表面に存在する高親和性IgE受容体(FcεRI)と結合する。アレルゲンが再侵入すると、IgEを介して肥満細胞や好塩基球が活性化され、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、即時型アレルギー反応が惹起される。
⑷ × IgGは、肥満細胞で産生される。
IgGは、形質細胞で産生される。IgGは、血清中の主要な免疫グロブリンであり、二次免疫応答において重要な役割を果たす。肥満細胞は、IgEを介してアレルギー反応に関与するが、IgGを産生することはない。
⑸ × IgMは、自然免疫に関わる。
IgMは、獲得免疫に関わる。IgMは、初期免疫応答において重要な役割を果たし、強力な凝集反応や補体活性化能を有する。自然免疫は、非特異的な防御機構であり、主に食細胞、NK細胞、補体系などが関与する。獲得免疫は、抗原特異的な免疫応答であり、T細胞やB細胞が関与する。