食品の変質に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。
⑴ 油脂の酸敗は、光により抑制される。
⑵ 過酸化物価は、油脂の酸敗で生じるアルデヒド量の指標である。
⑶ りんごの切断面の褐変は、ポリフェノールオキシダーゼの触媒作用が関与している。
⑷ ヒスタミンは、ヒスチジンの脱アミノ反応により生成する。
⑸ わが国では、c 線照射による殺菌が認められている。
解答
⑴ × 油脂の酸敗は、光により抑制される。
油脂の酸敗は、光によって促進される。光エネルギーは、油脂中の不飽和脂肪酸から水素原子を引き抜き、フリーラジカルの生成を促進する。このフリーラジカルが酸素と反応して過酸化物を生成し、酸敗が進行する。
⑵ × 過酸化物価は、油脂の酸敗で生じるアルデヒド量の指標である。
過酸化物価は、油脂の酸化の初期段階で生成する過酸化物の量を示す指標である。ヨウ化カリウムと過酸化物を反応させてヨウ素とし、それを定量する。
⑶ 〇 りんごの切断面の褐変は、ポリフェノールオキシダーゼの触媒作用が関与している。
りんごに含まれるポリフェノールは、ポリフェノールオキシダーゼの触媒作用により酸化され、褐色のメラニン様物質を生成する。これが、りんごの切断面の褐変の原因である。
⑷ × ヒスタミンは、ヒスチジンの脱アミノ反応により生成する。
ヒスタミンは、アミノ酸の一種であるヒスチジンが、脱炭酸反応を起こすことにより生成する。この反応は、不適切な温度管理下で起こりやすい。
⑸ × わが国では、γ線照射による殺菌が認められている。
日本では、じゃがいもに対して発芽防止目的のγ線照射が認められているが、殺菌目的には認められていない。これは国際的な隔たりが存在している。