食品の保存性を高める方法に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。
⑴ 紫外線照射は、食品の中心部まで殺菌することができる。
⑵ 牛乳の高温短時間殺菌は、120~150℃ で2~4 秒間行われる。
⑶ CA 貯蔵では、酸素濃度を 20% 程度に維持する。
⑷ パーシャルフリージングは、-10~-15℃ の範囲で行われる。
⑸ フリーズドライでは、食品中の水分は氷から水蒸気となる。
解答
⑴ × 紫外線照射は、食品の中心部まで殺菌することができる。
紫外線照射は食品表面の殺菌に有効であるが、透過力が弱いため、食品の中心部まで殺菌することはできない。
⑵ 〇 牛乳の高温短時間殺菌は、120~150℃ で2~4 秒間行われる。
高温短時間殺菌(HTST殺菌)は、120~150℃の高温で2~4秒間行われる。これにより、牛乳中の病原性微生物を死滅させつつ、風味や栄養価を損なわずに保存性を高めることができる。
⑶ × CA 貯蔵では、酸素濃度を 20% 程度に維持する。
CA貯蔵(Controlled Atmosphere Storage)では、酸素濃度を2~10%程度と大気中よりも低く維持し、二酸化炭素濃度を2~5%程度と大気中よりも高く維持する。これにより、呼吸を抑制し、果実や野菜の鮮度を長く保つことができる。
⑷ × パーシャルフリージングは、-10~-15℃ の範囲で行われる。
パーシャルフリージングは、-2~-5℃の範囲で行われる。この温度帯では、食品中の水分の一部が凍結するが、品質の劣化が少なく、解凍後も食感が維持される。
⑸ 〇 フリーズドライでは、食品中の水分は氷から水蒸気となる。
フリーズドライ(凍結乾燥)では、食品を凍結した後、真空状態で氷を昇華させて水分を除去する。この過程で、水分は氷から直接水蒸気となる(昇華)。フリーズドライ食品は、軽量で保存性が高く、水分を加えるとほぼ元の状態に戻る。