健康の「生物心理社会モデル」に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。
⑴ 生物医学モデルよりも古い考え方である。
⑵ 疾病の治療に、社会的要因を取り込むことができる。
⑶ 対人関係によるストレスは、このモデルに含まれない。
⑷ アルマ・アタ宣言の中で提唱された。
⑸ 疾病を単一要因により説明する。
解答
⑴ × 生物医学モデルよりも古い考え方である。
生物医学モデルは、19世紀以降の伝統的な医学の考え方であるのに対し、生物心理社会モデルは、1970年代に提唱された比較的新しい考え方である。
⑵ 〇 疾病の治療に、社会的要因を取り込むことができる。
生物心理社会モデルは、疾病の原因や治療において、生物学的要因だけでなく、心理的要因や社会的要因も考慮する。
⑶ × 対人関係によるストレスは、このモデルに含まれない。
対人関係によるストレスは、心理的要因の一部として、生物心理社会モデルに含まれまれている。
⑷ × アルマ・アタ宣言の中で提唱された。
アルマ・アタ宣言(1978年)は、プライマリ・ヘルス・ケアの重要性を強調した国際的な宣言であり、生物心理社会モデルとは直接関連はない。
⑸ × 疾病を単一要因により説明する。
生物心理社会モデルは、疾病を単一の要因ではなく、複数の要因の相互作用として説明する。
「生物心理社会モデル」は、健康と疾病を生物学的、心理学的、社会的要因の複雑な相互作用として捉える包括的な概念モデルであり、1970年代にジョージ・L・エンゲル博士によって提唱された。
- 生物学的要因:遺伝、解剖学、生理学、生化学など、身体の構造と機能に関連する要因。
- 心理学的要因:認知、感情、行動、性格、コーピングスタイルなど、個人の心理的プロセスに関連する要因。
- 社会的要因:家族、コミュニティ、文化、社会経済的地位、教育、医療へのアクセスなど、個人を取り巻く社会環境に関連する要因。
生物心理社会モデルでは、これらの要因が相互に作用して健康と疾病に影響を与えると説明している。