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38-72

脂質代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴  食後は、血中 VLDL 濃度が低下する。

⑵  食後は、リポたんぱく質リパーゼが活性化する。

⑶  食後は、ホルモン感受性リパーゼが活性化する。

⑷  空腹時は、血中遊離脂肪酸濃度が低下する。

⑸  空腹時は、肝臓でケトン体合成が抑制される。

解答

正解:2

⑴ × 食後は、血中VLDL濃度が低下する。
食後は、血中VLDL濃度が上昇する。食事由来の脂質は小腸でカイロミクロンとして吸収された後、肝臓でVLDLに再合成されて血中に放出される。そのため、食後にはVLDL濃度が上昇する。

⑵ 〇 食後は、リポたんぱく質リパーゼが活性化する。
食後には、インスリンの分泌が増加し、これによりリポタンパク質リパーゼ(LPL)が活性化される。LPLは主に脂肪組織や筋肉の毛細血管内皮細胞表面に存在し、血中のカイロミクロンやVLDL(超低密度リポタンパク質)中のトリグリセリドを加水分解する。これにより、遊離脂肪酸とグリセロールが生成され、周囲の組織に取り込まれる。この過程は、食後の脂質の貯蔵や利用に重要な役割を果たす。

⑶ × 食後は、ホルモン感受性リパーゼが活性化する。
ホルモン感受性リパーゼ(HSL)は、食後には抑制される。HSLは主に脂肪組織に存在し、中性脂肪を分解する酵素だが、インスリンによって抑制される。食後にインスリンが分泌されると、HSLの活性は低下し、脂肪分解が抑制される。

⑷ × 空腹時は、血中遊離脂肪酸濃度が低下する。
空腹時には、血中遊離脂肪酸濃度が上昇する。空腹時にはインスリン濃度が低下し、グルカゴンやアドレナリンなどの異化ホルモンが増加する。これによりHSLが活性化され、脂肪組織から遊離脂肪酸が放出される。

⑸ × 空腹時は、肝臓でケトン体合成が抑制される。
空腹時には、肝臓でのケトン体合成が促進される。空腹時には血糖値が低下し、インスリン/グルカゴン比が低下する。これにより、脂肪組織からの遊離脂肪酸の放出が増加し、肝臓でのβ酸化が亢進する。その結果、アセチルCoAが蓄積し、ケトン体合成が促進される。

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