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38-2

放射線による人体への健康影響に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。

⑴ シーベルト(Sv)は、放射線の照射により人体が吸収するエネルギー量を示す単位である。

⑵ ベクレル(Bq)は、人体に対する放射線の健康影響の大きさを示す単位である。

⑶ 白血病は、確定的影響の1つである。

⑷ 遺伝性の障害は、被ばく後短時間で発生する早発障害である。

⑸ 白内障は、被ばく後に長い時間を経過してから発生する晩発障害である。

解答

正解:5

⑴ × シーベルト(Sv)は、放射線の照射により人体が吸収するエネルギー量を示す単位である。
シーベルト(Sv)は、人体に対する放射線の健康影響の大きさを示す単位であり、人体が吸収するエネルギー量を示す単位はグレイ(Gy)である。

⑵ × ベクレル(Bq)は、人体に対する放射線の健康影響の大きさを示す単位である。
ベクレル(Bq)は、放射性物質の放射能の強さを示す単位であり、人体に対する放射線の健康影響の大きさを示す単位ではない。

⑶ × 白血病は、確定的影響の1つである。
白血病は、確率的影響(確率的障害)の一つである。確定的影響は、被ばく線量がしきい値を超えると発生し、線量に依存して重症度が増す影響(例:白内障、不妊など)を指す。

⑷ × 遺伝性の障害は、被ばく後短時間で発生する早発障害である。
遺伝性の障害は、生殖細胞が被ばくしたことにより子孫に影響が出現することであり、短時間で発生するものではない。またヒトについての遺伝的影響は確認されていない。

⑸ 〇 白内障は、被ばく後に長い時間を経過してから発生する晩発障害である。
白内障は、被ばく後長期間を経て発生する晩発障害の一つである。晩発障害は、被ばく後数か月から数年以上の長い期間を経て発生する障害を指す。

以上より、⑸が最も適当な記述である。

解説

それぞれの単位について

ベクレル(Bq):放射性物質が放射線を出す能力を表す単位
グレイ(Gy):放射線のエネルギーがどれだけ物質に吸収されたかを表す単位
シーベルト(Sv):放射線を受けたときの人体への影響を表す単位

放射線の人体への影響の区分

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