わが国の歯科口腔保健に関する記述である。誤っているのはどれか。 1 つ選べ。
⑴ 歯周病の程度を示す指標として、地域歯周疾患指数(CPI)が用いられている。
⑵ 「一生自分の歯で食べること」を目標にした啓発運動として、「8020(ハチマルニイマル)運動」がある。
⑶ う歯の予防対策として、フッ化物による歯質強化対策がある。
⑷ 最近 10 年間の学校保健統計調査によると、児童・生徒のむし歯(う歯)のある者の割合は増加している。
⑸ 歯周病のリスク因子に糖尿病がある。
解答
⑴ 〇 歯周病の程度を示す指標として、地域歯周疾患指数(CPI)が用いられている。
地域歯周疾患指数(CPI: Community Periodontal Index)は、歯周病の疫学調査などで用いられる指標で、歯周ポケットの深さや歯肉の出血の有無などから、歯周病の程度を評価するものである。
⑵ 〇 「一生自分の歯で食べること」を目標にした啓発運動として、「8020(ハチマルニイマル)運動」がある。
8020運動は、80歳になっても自分の歯を20本以上保とうという目標を掲げた運動で、歯の健康の重要性を啓発し、歯科口腔保健の向上を図ることを目的としている。
⑶ 〇 う歯の予防対策として、フッ化物による歯質強化対策がある。
フッ化物は、歯のエナメル質を強化し、う歯になりにくくする効果があるため、う歯予防対策の一つとして用いられている。具体的には、フッ化物配合歯磨剤の使用や、フッ化物洗口、フッ化物塗布などが行われている。
⑷ × 最近 10 年間の学校保健統計調査によると、児童・生徒のむし歯(う歯)のある者の割合は増加している。
最近10年間の学校保健統計調査の結果では、児童・生徒のむし歯(う歯)のある者の割合は減少傾向にある。むし歯のある者の割合は、年々低下しており、増加傾向にはない。
⑸ 〇 歯周病のリスク因子に糖尿病がある。
糖尿病は、歯周病の重要なリスク因子の一つである。血糖コントロールが不良な糖尿病患者では、歯周病が重症化しやすく、また、歯周病が糖尿病を悪化させるという相互の関連が知られている。