生体エネルギー源と代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。
⑴ ヒトは、独立栄養生物である。
⑵ クレアチンリン酸は、高エネルギーリン酸化合物である。
⑶ ATP の産生は、同化の過程で起こる。
⑷ 電子伝達系では、二酸化炭素が産生される。
⑸ 脱共役たんぱく質(UCP)は、ATP の産生を促進する。
解答
⑴ × ヒトは、独立栄養生物である。
ヒトは従属栄養生物であり、他の生物が作った有機物を栄養源としている。独立栄養生物は、光合成や化学合成によって無機物から有機物を合成できる生物のことを指す。
⑵ 〇 クレアチンリン酸は、高エネルギーリン酸化合物である。
クレアチンリン酸は、ATP と同様に高エネルギーリン酸結合を持つ化合物で、筋肉の収縮などに必要なエネルギーを素早く供給する役割を担っている。
⑶× ATP の産生は、同化の過程で起こる。
ATP の産生は異化の過程で起こる。同化は、単純な物質から複雑な物質を合成する過程のことであり、エネルギーを消費する。一方、異化は、複雑な物質を分解してエネルギーを取り出す過程のことである。
⑷ × 電子伝達系では、二酸化炭素が産生される。
電子伝達系では、酸素が最終的な電子受容体となり、水が生成される。二酸化炭素は、クエン酸回路(TCA回路)で産生される。
⑸ × 脱共役たんぱく質(UCP)は、ATP の産生を促進する。
脱共役たんぱく質は、電子伝達系で生じた プロトン勾配を熱に変換することで、ATP 合成を抑制する。これは、熱産生を促進し、体温調節に役立ちますが、ATP 産生とは逆の効果を持つ。