アミノ酸、糖質および脂質の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。
⑴ リンゴ酸は、尿素回路の中間代謝物である。
⑵ ペントースリン酸回路は、ミトコンドリアに存在する。
⑶ グルコース – 6 – ホスファターゼは、筋肉に存在する。
⑷ 脂肪酸合成は、リボソームで行われる。
⑸ b 酸化は、ミトコンドリアで行われる。
解答
⑴ × リンゴ酸は、尿素回路の中間代謝物である。
リンゴ酸は、クエン酸回路(TCA回路)の中間代謝物であり、尿素回路の中間代謝物ではない。尿素回路は、アミノ酸の分解によって生じたアンモニアを解毒するための代謝経路であり、オルニチン、シトルリン、アルギニノコハク酸などが中間代謝物として知られている。
⑵ × ペントースリン酸回路は、ミトコンドリアに存在する。
ペントースリン酸回路は、細胞質に存在する代謝経路である。ミトコンドリアではなく、細胞質で NADPH を生成し、核酸の合成や脂肪酸の合成、活性酸素の除去などに重要な役割を果たす。
⑶ × グルコース – 6 – ホスファターゼは、筋肉に存在する。
グルコース-6-ホスファターゼは、肝臓と腎臓に存在する酵素である。この酵素は、グリコーゲンの分解によって生じたグルコース-6-リン酸をグルコースに変換する反応を触媒する。筋肉では、グルコース-6-ホスファターゼの活性が低いため、グルコースを放出することができない。
⑷ × 脂肪酸合成は、リボソームで行われる。
脂肪酸合成は、細胞質で行われる。リボソームは、タンパク質の合成を行う細胞内小器官である。脂肪酸合成は、アセチルCoAを出発物質とし、脂肪酸合成酵素複合体によって触媒される一連の反応により行われる。
⑸ 〇 b 酸化は、ミトコンドリアで行われる。
β酸化は、脂肪酸をアセチルCoAに分解する代謝経路であり、ミトコンドリアのマトリックスで行われる。β酸化により生じたアセチルCoAは、クエン酸回路に入り、さらにエネルギー産生に利用される。