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38-26

上部消化管疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴  わが国では、食道がんは、中部食道に比べて下部食道に多い。

⑵  胃食道逆流症では、下部食道括約筋機能の亢進がみられる。

⑶  早期胃がんでは、ボールマン(Borrmann)分類が用いられる。

⑷  ヘリコバクター・ピロリ菌感染は、萎縮性胃炎を起こす。

⑸  早期ダンピング症候群は、インスリンの過剰分泌で起こる。

解答

正解:4

× わが国では、食道がんは、中部食道に比べて下部食道に多い。
日本では、食道がんは、中部食道に多く、下部食道に少ない。欧米では、下部食道がんの頻度が高いが、これは、胃食道逆流症との関連が示唆されている。

× 胃食道逆流症では、下部食道括約筋機能の亢進がみられる。
胃食道逆流症では、下部食道括約筋機能の低下がみられる。下部食道括約筋の弛緩や圧の低下により、胃内容物が食道に逆流しやすくなる。逆流した胃酸により、食道粘膜の炎症や潰瘍が生じる。

× 早期胃がんでは、ボールマン(Borrmann)分類が用いられる。
早期胃がんでは、肉眼的分類として、隆起型(I型)、表面隆起型(IIa型)、表面平坦型(IIb型)、表面陥凹型(IIc型)、陥凹型(III型)に分類される。ボールマン(Borrmann)分類は、進行胃がんの肉眼的分類として用いられる

〇 ヘリコバクター・ピロリ菌感染は、萎縮性胃炎を起こす。
ヘリコバクター・ピロリ菌感染は、慢性胃炎を引き起こし、長期間の感染により萎縮性胃炎へと進展する。萎縮性胃炎では、胃粘膜の萎縮と腸上皮化生がみられる。ヘリコバクター・ピロリ菌感染は、胃がんの発生リスクを高めることが知られており、感染している場合は除菌が望ましい。

× 早期ダンピング症候群は、インスリンの過剰分泌で起こる。
早期ダンピング症候群は、胃切除後に食物が急速に小腸に流入することで起こる。食物の急速な流入により、小腸での浸透圧が上昇し、血管内から腸管内への水分移動が生じる。その結果、循環血液量の減少、血圧低下、頻脈などの症状が出現する。インスリンの過剰分泌は、その後の低血糖発作の原因となる(後期ダンピング症候群)。

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