果実類に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。
⑴ バナナは、追熟に伴いでんぷんが増加する。
⑵ 日本なしの石細胞は、リグニンを多く含む。
⑶ りんごの主な多糖類は、アガロペクチンである。
⑷ 赤肉種のメロンの主な色素は、アントシアニンである。
⑸ アボカドは、不飽和脂肪酸より飽和脂肪酸を多く含む。
解答
⑴ × バナナは、追熟に伴いでんぷんが増加する。
バナナは、追熟に伴ってでんぷんが減少し、糖分が増加する。未熟なバナナは、でんぷん含量が高いが、エチレンによる追熟が進むにつれて、でんぷんがグルコースやフルクトースなどの単糖類に分解される。その結果、甘味が増し、軟らかくなる。
⑵ 〇 日本なしの石細胞は、リグニンを多く含む。
日本なしの石細胞は、リグニンを多く含む。石細胞は、植物細胞壁が厚く木質化した細胞であり、果実の硬さや歯ざわりに関与する。リグニンは、木質部の主要な構成成分であり、石細胞の硬さを増す役割を果たす。日本なしは、石細胞が多いことが特徴であり、果実の硬さや食感に影響する。
⑶ × りんごの主な多糖類は、アガロペクチンである。
りんごの主な多糖類は、ペクチンである。セルロースは、植物細胞壁の主要な構成成分であり、果実の硬さや構造に関与する。ペクチンは、細胞壁に存在する多糖類の一種で、ゲル化する性質を持つ。りんごのペクチンは、果実の形状維持や食感に影響する。アガロペクチンは、寒天の主成分である多糖類で、りんごには含まれない。
⑷ × 赤肉種のメロンの主な色素は、アントシアニンである。
赤肉種のメロンの主な色素は、β- カロテンである。アントシアニンは酸性で赤、中性で紫、アルカリ性で青くなる。
⑸ × アボカドは、不飽和脂肪酸より飽和脂肪酸を多く含む。
アボカドは、不飽和脂肪酸を多く含む。アボカドに含まれる脂質の大部分は、オレイン酸などの一価不飽和脂肪酸である。また、リノール酸などの多価不飽和脂肪酸も含まれる。アボカドは、果実としては脂質含量が高いことが特徴である。