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38-37

生殖器の構造・機能および生殖器疾患に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴  精巣のセルトリ細胞は、ウォルフ管を発育させる物質を分泌する。

⑵  PSA は、卵巣がんの腫瘍マーカーである。

⑶  閉経後の乳がんのリスク因子に、肥満がある。

⑷  子宮筋腫は、エストロゲン非依存性疾患である。

⑸  子宮頸がんの原因で最も多いのは、性器クラミジア感染である。

解答

正解:3

× 精巣のセルトリ細胞は、ウォルフ管を発育させる物質を分泌する。
精巣のセルトリ細胞は、アンチミュラー管ホルモン(AMH)を分泌する。AMHは、胎児期に女性の内性器の発生を抑制し、ミュラー管の退縮を促す。ウォルフ管の発育は、精巣のライディッヒ細胞から分泌されるテストステロンによって促進される。

× PSAは、卵巣がんの腫瘍マーカーである。
PSA(前立腺特異抗原)は、前立腺がんの腫瘍マーカーである。PSAは、前立腺上皮細胞から分泌される糖タンパク質であり、前立腺がんの診断や経過観察に用いられる。卵巣がんの代表的な腫瘍マーカーには、CA125やHE4などがある。

〇 閉経後の乳がんのリスク因子に、肥満がある。
閉経後の肥満は、乳がんのリスク因子の一つである。閉経後の女性では、エストロゲンの主な産生部位が卵巣から副腎と脂肪組織に変わる。肥満女性では、脂肪組織におけるアロマターゼ活性が高まり、アンドロゲンからエストロゲンへの変換が増加する。その結果、閉経後の肥満女性では、エストロゲン濃度が相対的に高くなり、乳がんのリスクが上昇する。

× 子宮筋腫は、エストロゲン非依存性疾患である。
子宮筋腫は、エストロゲン依存性疾患である。子宮筋腫は、子宮筋層に発生する良性の腫瘍であり、エストロゲンによって増殖が促進される。子宮筋腫は、エストロゲン濃度が高い生殖年齢期の女性に多くみられ、閉経後には縮小傾向を示す。

× 子宮頸がんの原因で最も多いのは、性器クラミジア感染である。
子宮頸がんの原因で最も多いのは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染である。HPVは、性行為によって感染し、子宮頸部の扁平上皮や腺上皮に感染する。高リスク型HPV(16型、18型など)の持続感染が、子宮頸がんの主な原因となる。性器クラミジア感染は、子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患の原因となるが、子宮頸がんとの直接的な関連は明らかでない。

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