細菌性食中毒に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。
⑴ 黄色ブドウ球菌は、ベロ毒素を産生する。
⑵ ボツリヌス菌は、偏性嫌気性菌である。
⑶ カンピロバクターによる食中毒は、主に煮込み料理で発生する。
⑷ 腸管出血性大腸菌による食中毒の潜伏期間は、 3 ~ 8 時間程度である。
⑸ わが国におけるセレウス菌による食中毒は、主に下痢型である。
解答
⑴ × 黄色ブドウ球菌は、ベロ毒素を産生する。
黄色ブドウ球菌は、エンテロトキシンを産生する。ベロ毒素は、腸管出血性大腸菌O157などが産生する毒素である。
⑵ 〇 ボツリヌス菌は、偏性嫌気性菌である。
ボツリヌス菌は、酸素のない環境でのみ増殖する偏性嫌気性菌である。そのため、真空パックや缶詰など酸素のない環境で増殖し、毒素を産生することがある。
⑶ × カンピロバクターによる食中毒は、主に煮込み料理で発生する。
カンピロバクターによる食中毒は、主に加熱不足の鶏肉料理や生乳の喫食により発生する。煮込み料理は、一般的に加熱時間が長いため、カンピロバクターによる食中毒のリスクは低い。
⑷ × 腸管出血性大腸菌による食中毒の潜伏期間は、3~8時間程度である。
腸管出血性大腸菌による食中毒の潜伏期間は、通常3~5日程度である。3~8時間程度の潜伏期間は、黄色ブドウ球菌による食中毒の特徴である。
⑸ × わが国におけるセレウス菌による食中毒は、主に下痢型である。
日本におけるセレウス菌による食中毒は、主に嘔吐型である。これは、セレウス菌が産生するセレウリドという耐熱性の毒素が原因である。