食品中の有害物質に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。
⑴ デオキシニバレノールは、りんごを汚染するかび毒である。
⑵ ベンゾ[a]ピレンは、ヘテロサイクリックアミンの 1 つである。
⑶ アクリルアミドは、アスパラギンと還元糖の反応によって生成する。
⑷ N ─ニトロソアミンは、アミノ酸とクレアチンの反応によって生成する。
⑸ ダイオキシンは、水溶性が高いため生物濃縮されにくい。
解答
⑴ × デオキシニバレノールは、りんごを汚染するかび毒である。
デオキシニバレノールは、主に麦類を汚染するフザリウム属のかび毒である。
⑵ × ベンゾ[a]ピレンは、ヘテロサイクリックアミンの1つである。
ベンゾ[a]ピレンは、多環芳香族炭化水素(PAH)の一種である。ヘテロサイクリックアミンとは異なる物質群である。
⑶ 〇 アクリルアミドは、アスパラギンと還元糖の反応によって生成する。
アクリルアミドは、高温加熱調理(120℃以上)の過程で、食品中のアスパラギンとグルコースなどの還元糖が反応することによって生成する。
⑷ × N─ニトロソアミンは、アミノ酸とクレアチンの反応によって生成する。
N─ニトロソアミンは、アミンとニトロソ化剤(亜硝酸など)の反応によって生成する。アミノ酸とクレアチンの反応によって生成するのは、ヘテロサイクリックアミンである。
⑸ × ダイオキシンは、水溶性が高いため生物濃縮されにくい。
ダイオキシンは、水に溶けにくい脂溶性の物質であるため、生物濃縮されやすい。食物連鎖によって高次の生物ほど高濃度に蓄積される傾向がある。