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38-73

コレステロール代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。 1 つ選べ。

⑴  コレステロールは、エネルギー源として利用される。

⑵  コレステロールは、細胞膜の構成成分である。

⑶  コレステロールは、ペプチドホルモンの材料となる。

⑷  コレステロールは、ビタミン D から合成される。

⑸  細胞内コレステロール量の減少は、HMG-CoA 還元酵素活性を抑制する。

解答

正解:2

⑴ × コレステロールは、エネルギー源として利用される。
コレステロールは、主にエネルギー源として利用されない。コレステロールは、ステロイドホルモンや胆汁酸の前駆体として、また細胞膜の構成成分として重要だが、エネルギー産生には直接関与しない。

⑵ 〇 コレステロールは、細胞膜の構成成分である。
コレステロールは、全ての動物細胞の細胞膜の重要な構成成分である。細胞膜中のコレステロールは、膜の流動性を調節し、膜の安定性を維持する役割を果たす。また、コレステロールは脂質ラフトと呼ばれる膜上の特殊な構造の形成にも関与し、細胞のシグナル伝達や物質輸送などの機能に重要な役割を果たす。

⑶ × コレステロールは、ペプチドホルモンの材料となる。
コレステロールは、ペプチドホルモンの材料とはならない。コレステロールは、ステロイドホルモン(例:コルチゾール、テストステロン、エストロゲン)の前駆体である。

⑷ × コレステロールは、ビタミンDから合成される。
7-デヒドロコレステロールはコレステロールの最終中間体である。また、皮膚中の7-デヒドロコレステロールは紫外線によって活性化されることでビタミンDが合成される。すなわち、ビタミンDはコレステロールから合成されないとともに、コレステロールもビタミンDから合成されない。

⑸ × 細胞内コレステロール量の減少は、HMG-CoA還元酵素活性を抑制する。
細胞内コレステロール量の減少は、HMG-CoA還元酵素活性を促進する。HMG-CoA還元酵素は、コレステロール生合成の律速酵素である。細胞内コレステロール量が減少すると、SREBP(sterol regulatory element-binding protein)が活性化され、HMG-CoA還元酵素の遺伝子発現が増加する。これにより、コレステロール合成が促進される。逆に、細胞内コレステロール量が増加すると、HMG-CoA還元酵素活性は抑制される。

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